億とれーだーテスタとDUKE。の投資手法

まず、二人の投資手法から紹介しておこう。

テスタさんが得意とする株式投資の手法は、スキャルピングと言われる、超短時間で行う取引だ。早ければ数秒でトレードが完結するため、リーマンショックなどの突発的な大暴落に巻き込まれにくく、コツコツ利益を得る確率が高いとされる手法だ。

実はDUKE。さんも、サラ―リーマン時代に会社を休んで超短期トレードを試したことがあったが、反射神経も知識もなかったから、短いトレードは不向きだと実感した。このスキャルピングでテスタさんが10億円近い資産を作りだしたことを知った時、ただただ「スゴイ人がいるなぁ」と思ったそうだ。超短期トレードはリスクが少ない反面で、多額の利益を稼ぎ出そうとすれば、1日に数百回ものトレードを繰り返す必要があり、「東京証券取引所の取引時間が終わる午後3時には、ぐったりとしてしまう」というほど、集中力が必要な手法でもあるのだ。

一方、DUKE。さんが得意とするのは、著書「1勝4敗でもしっかり儲ける 新高値ブレイク投資術」でも解説している通り、「経済状況や企業の変革(新製品、新事業、新経営陣など)、いわゆるファンダメンタルズを中心に分析し、その銘柄が新高値をつけたときに買って、さらに高値になったところで売る」という手法だ。

帰宅後のわずかな時間で企業業績などを分析し、買い増しを行いながら一定期間保有するため、トレードに張りつけない「サラリーマン兼業トレーダー」でも投資することができる。また、細かな値動きに惑わされないため、株価が10倍以上になったこともあるという。

テスタさんは、「DUKE。さんの手法なら、手持ちの資金を有効活用できるため、資産を100億円に増やすことも可能だと思う」と評価している。

成功しているトレーダーには、それぞれ得意な投資手法がある。それには、数え切れないほどの失敗を重ね、相場と向き合い、自ら導き出したものだ。実は、「億トレーダー」同士で話をしていても、お互いの手法や思考が理解しきれないことがあるという。


ではなぜ、そこまで「投資」を突き詰められるのだろうか?

もちろん、「儲けたい」という思いがモチベーションになっていることは間違いない。両氏は口を揃えて、「始めたからには、誰もが憧れる1億円を達成したいと思っていた。『億トレーダー』という言葉があるくらい、1億円のところには大きな線がある。その線を越えた時は、すごく嬉しかった」と話す。

1億円を突破すると同時に、テスタさんは全国に数百箇所ある児童養護施設に自ら電話をかけ、子供たちが必要なものを聞いて送るという寄付活動を始めた。DUKE。さんが続けてきた、子供たちに機会と夢を与えるチャンス・フォー・チルドレンの活動支援などを、さらに活発化させたのも、資産が1億円を越えた後だ。

スポーツ選手や経営者の中にも、ある程度の成功をおさめた後、社会貢献に力を入れ始める人たちが散見されるが、トレーダーの場合は、自分の投資手法に手ごたえを感じられるのが、1億円というラインなのかもしれない。
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億トレーダーになった今、二人の次の目標はどこなのだろうか?

「株式投資が好きだから続けている。ケタがかわる10億円は目標だが、今はひとつ数字が増えても『あ、嬉しい』と思う程度。10億円を超えたら、次の目標は20億円になるのかもしれないが、遠すぎてモチベーションが続かないかもしれない。今も、家賃などの生活水準をあげるなど、取引しなくてはならない環境を作ってトレードしている。そうしないと、寝ているほうがいいとか思ってしまう。」

そう話すテスタさんは実際、資産が1億数千万円になった時、トレードをやめたことがあった。それは、「憧れのラインを越えたことで、満足してしまったから」だという。リスクを背負いながら利益を出し続けるプレッシャーは、私たちが想像するより重いのだろう。

一方、DUKE。さんは言う。「おカネはあればあった方がいいが、守りたいと思う家族が出来たことが、今は一番のモチベーションだ。投資より家族が大事で、優先順位は家族が1番。2番に投資がある。家族がいるからこそ、投資で恥ずかしくない生き方をしたいと思える。テスタさんも家族が出来たらまたモチベーションが上がるかもしれませんね。」

「子供が大好き」と話すテスタさんが、次のステージに上がり、そこからどのような景色が見えているのかを、いつか聞いてみたいと思う。


今後、二人はどのようなスタンスでトレードしていくのだろうか?

テスタさんは、「今年はまず年初に1億円を失って、2億円とって、また1億円失って、1億円とった。「何やってんねん!」という一年に、ほとほと嫌気がさした。でも、その中でついに『待つ』ことを学習できたと思う。例えば、任天堂株の取り引きが『ポケモンGO』の人気化で盛り上がった時、全く負ける気がしなかった。これは2013年にアベノミクスがスタートした時と同じ感覚だ」という。

同氏は「これからも1年に1度か2度は、同じような動きをしてくれる相場が来るだろう。その時こそが取引をすべき時で、他は見ていても取引はしない。ようやく大負けしないスタイルを確立できたと思う。今年はそれをつらぬきたい。年末は、テーマで賑わうこともあるので地合いを見ながら、出来高が多く、値動きのある日に取引していく。盛り上がってから出動しても間に合うから。」と語る。

待つ姿勢は、DUKE。さんも同じだ。

「今年から来年にかけてはずっと弱気にみてきたため、1年を通してポジションはあまり持たずに、よっぽどの銘柄でない限り、買いポジションを上乗せすることはなかった。米国の利上げがきっかけなのか、別なことなのかわからないが、大きな下落局面を引き続き警戒している。米国の景気サイクルも限界にきている。今は、大負けしないようにすることが最優先だ。暴落を待ちながら、例えば、暴落時に一緒に下がっても、そこから戻すいい銘柄を探しておきたい。いい銘柄は、たくさんあるんですよ。」

対談の最後にテスタさんが言った。「僕らは、利益を出さなくてはいけないファンドマネージャーと違って、待つという戦略がとれるのだから」という言葉に、DUKE。さんも大きく頷いていた。

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