健康診断で大腸癌検診の必要性 おそれるな早期発見で95%が完治する

 大腸がんは、近年日本で増加しており、患者数や死亡者数が多いがんだ。早期発見して治療すれば95%以上が治るが、大腸がん検診を定期的に受けている人は4割未満で、検診の内容を知らない人が4割以上にのぼるという。

糖尿病の人は大腸がんリスクが1.4倍に上昇する

 高齢化や食生活の変化などにより、大腸がんを発症する人の数がこの30年間で約6倍に増えており、がん罹患数予測の第1位、がん死亡数予測の第2位となっている。女性でも大腸がんは、がん死亡原因の1位になっているほど身近ながんなのである。

 国立がん研究センターによると、大腸がんになる原因となるのは「飲酒」「肥満」「運動不足」の3つた。これに加えて、「加齢」と「糖尿病」も大腸がんのリスクとなる。

 特に糖尿病は、糖尿病でない人と比べてかんぞうがんになるリスクが1.97倍、すいぞうがんになるリスクが1.85倍、だいちょうがんになるリスクが1.4倍になることが日本糖尿病学会と日本癌学会の調査で分かった。

 大腸がんは早期発見・早期治療で95%以上が完治するが、放置していると進行する。大腸がんは進行するまでほとんど自覚症状がないが、進行度によっては5年生存率は下がる。そのため定期的に検診を受けることが重要です。

 検査方法は俗にいう検尿で大便の表面に血液が付着していないかを調べるのが主で、市町村健康診断で受けられます。非課税者は無料で検診できるところもありますので、40歳以上でしたらめんどくさがらずに繰り返し受けておいたほうが良いでしょう。

大腸がんの95%以上は治せる 放置すると進行

 大腸がんは、早期発見すればほぼ治すことができる病気だ。発見が早いほど治療選択肢も多く、痛みや負担の少ない治療で治せる。

 そのために、がん検診を受けることが大切だ。毎年繰り返し検診を受ければ、約8割の大腸がんを発見することができる。大腸がん検診を受けていた患者では、検診を受けたことのない患者より、診断後の生存率がはるかに優れることが分かっている。

 なぜ繰り返しというかというと、出血というと大腸内からのアバウトな検査であるからで、大腸を通る大便は出血口の裏側を通過した部分では、血液反応が出にくい場合もあるからである。採便は大便の片面だけでなく、できるだけ円状に表面から採取したほうが効率的といえるでしょう。

 大腸がんの検査としてまず行われるのは「便潜血検査」(検便)だ。大腸がんやポリープがあると、便に血液がつくことがある。大腸からの出血が認められる場合、大腸内視鏡検査などが行われる。

 自治体や職場で行われる大腸がん検診では、40歳以上の人に「便潜血検査」が推奨されている。自宅で採取した便を提出し、便に血液が混じっていないかどうかを調べる検査だ。

 2回のうち1回でも陽性になれば「要精密検査」となり、大腸内視鏡検査などが行われる。精密検査受診者のおよそ5%が大腸がんで、6割は良性疾患と診断されるという。

 便潜血検査には、正しい便の採取法がある。 まず2日間採ること、そして棒を便に突き刺すのではなく、表面をこするように採取することだ。

 採った便は必ず冷蔵庫に保管する。便の中の血液は温度が4度なら数日間そのままの量が残っているが、室温環境では徐々に減ってしまうからだ。

大腸がん検診を受けている人は4割未満

 国民生活基礎調査によると、大腸がん検診の受診率は37.9%で、国が目標に掲げている受診率50%(当面40%)を下回っている。

 大腸がん検診の啓発活動を推進するNPO法人ブレイブサークル運営委員会が実施した「大腸がん検診に関する意識調査」では、大腸がん検診(便潜血検査)を毎年受けている人の割合は4割未満で、大半が検診の内容を知らないという。

 早期の大腸がんであれば、開腹しないで内視鏡で取り除くことができ、患者の負担は大きく減る。同NPO法人によると、大腸がん検診の定期的な受診で、大腸がんで死亡するリスクは60~80%減少するという。

 同NPO法人では、大腸がん検診に関する調査を2012年から毎年行っている。今回の調査対象は、検診の対象世代である40歳~60歳代の男性7,050人、女性7,010人で、インターネットにより実施された。

 その結果、大腸がん検診を「毎年受けている」と回答した人は39.9%で、前回の調査に比べ2.1ポイント上昇した。一方で、「全く受けたことがない」と回答した人は28.3%。その理由として、「費用がかかるから」「どんな検診内容なのか知らなかったから」「便の提出が面倒くさいから」などが挙げられた。

「異常あり」と判定されたら精密検査を受けることが大切

 がん検診の目的は、早期発見により、そのがんで死亡する可能性を減少させることだ。

 がん検診は、一見健康な人に対して、「がんの可能性がある(異常あり)」「可能性がない(異常なし)」を判定し、可能性がある人を精密検査で診断し、がんを早期発見することを目的としている。

 「がんの可能性がある(異常あり)」と判断された場合には、必ず「精密検査」を受診することが大切だ。精密検査を受診して「異常なし、または良性の病変」と判定された場合は次回の検診へ、「がん」と判定された場合は治療へ進むことががん検診の流れだ。途中で精密検査や治療を受けない場合は、がん検診の効果はなくなってしまう。

 自覚症状が起きてから外来を受診する場合には、進行したがんが多くみつかる。一方、がん検診は症状のない段階で受けるので、健康な人でも早期がんが多く発見さる。早期がんはほとんどが治癒が可能で、しかも治療の負担も少なくて済む。

検診と同時に重要ながんにならない生活をこころがける

 がん検診により発見されるがんの中には、生命予後に影響を与えない、すなわち死亡原因にならないものも含まれている。がん検診ではいわゆる前がん病変も発見されるからだ。大腸がんでの大腸腺腫(ポリープ)はその例だ。

 一方、がん検診によってがんの疑いがあると判定され、精密検査を行ってもがんがない場合も多くある。これを検診での「偽陽性」という。

 一次検診で陽性となり、精密検査が必要とされた方のうち、実際にがんがあった方は5%程度だ。つまり陽性の人でも95%以上はがんではない。一見すると不必要な検査にみえるが、がんの早期発見、早期治療のためにはある程度はやむをえない。

 がん検診で「精密検査が必要」を判定された場合でも、必要以上に恐れず検査を受けることが、がんの早期発見や早期治療につながり、寿命を延ばすことができる。

 検診と同時に重要なのが、がんにならない生活だ。がん予防にもっとも良いのは、まず禁煙。そして節酒と肥満対策、運動と糖尿病対策だ。糖尿病の治療をしっかり続ければ、がんも予防できる。


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